雪国・十日町から ちからのブログ

豪雪地に暮らす思いとその自然について綴ります

ナメコ採り

 昨日、ナメコ採りに、山に入ってきました。3,4日前に強い風が吹いたせいか、木々の葉はほとんど落ちていました。葉が落ちると山の中でも、見通しが良くなります。山はすっかり冬支度です。

 1週間前にはまだ小さくて、採り残していたナメコはこんな状態でした。

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 写真ではよく分からないかもしれませんが、成長しすぎてしまい、ほとんど食べられる状態ではなくなっていました。残念です。気温が例年並ならちょうどよかったかもしれませんが、この1週間の気温が高すぎ、成長しすぎたようです。気温が低い時などは、1週間たってもあまり成長しないこともあります。気温が高かったので心配していましたが、悪い予感が当たってしまいました。これもまた経験です。

 それでも2,3箇所ナメコを見つけました。

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 これは倒木に出ていたナメコです。少し小さすぎるくらいですが、いただいてきました。

 次は立ち枯れのミズナラに出ていたナメコです。

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 このナメコは、3~5メートルの高いところに出ていたので、とても手を伸ばして採るわけにはいきません。

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 私は折り畳み式のタモ網を買ってきて、網の代わりに鎌を取り付けた道具を用意して、それでそぎ落として採ります。ナメコ採りの時期には必ずこの自作の道具を持って山に入ります。ナメコだけでなく、手の届かない木の高いところに出るキノコはたくさんあります。(もちろん手の届くところに出ている場合もあります。)特に晩秋から初冬にかけて出るヒラタケやムキタケは高い場所に出ることが多いので、この時期のキノコ採りには、この折り畳み式の鎌が必需品となります。

 昨日は結構ナメコが多く採れたので、6軒におすそ分けしました。

キノコ狩り、擬態

 昨日、山に入ってキノコを採ってきました。山に入ると、強い枯れ葉の匂いが、晩秋を感じさせます。

 今日もまたゴロ寝に夢をまさぐれば秋は音なく遠ざかりゆく 
                     (糸魚川市 島道幸治郎)

 クリタケが何箇所か群生していました。

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 クリタケは若いときは、上の写真のようにとってもきれいなキノコですが、下の写真のような形で見るのが普通でしょう。

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 ヒラタケも出ていました。

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 ヒラタケは鍋にでも入れて、食べようと思います。

 ナメコは出始めたばかりで、1週間後にまた採りに行こうと思っています。

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 その他、ヤマブシタケとハナビラニカワタケをほんの少し採りました。

 話は換わりますが、我が家の大文字草は、もう3週間近く咲いています。

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 昨日、この大文字草に擬態している蜘蛛を見つけました。

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 写真の中央に見えるのがそれです。今まで全く気づきませんでした。写真を撮った後、すぐにどこに行ったか分からなくなりました。何時からいたのかは、もちろん分かりません。こんなに大文字草にそっくりな色をした蜘蛛がいるなんて、本当に虫は不思議だ、と思ったのですが、考えてみると人間だって擬態して暮らしているようです。
 私は教員でしたが、最初は教えることなど全く興味がなく、ただ教員には夏休みという他の職業にはない長期の休みがあり、国語の教員になれば必然的に本を読まなければならないだろうし、読めるだろうと考えて教員になりました。もっと本が読みたかったので、教員になったのです。教えることを楽しいと思ったことは一度だってありません。しかし、目の前に生徒がいて、興味がなさそうに授業を受けているのを見るのはとても苦痛ですから、そういう生徒の姿を見るのが嫌なら、一生懸命教えるしかありません。だから生徒の興味をひくような話をしようと、本をたくさん読んで勉強して(それが私のしたかったことですから)、教えました。必死でした。しかし、私は学校のこと(学校の運営、生徒指導、部活、行事など)には、最後の最後まで全く興味が持てませんでした。こう考えると、私は一般の教員とは違っていましたが、教員に擬態してなんとか過ごしてきたと言えるような気がします。
 いやいや私だけではなく、ほとんどの人が擬態して暮らしているのではないでしょうか。自分がしている仕事が好きで好きでたまらない、というような人がどれほどいるでしょう。銀行員の皆さんは、お金に関することに興味があり、銀行員という仕事が好きで好きでたまらないのでしょうか。郵便局に勤める方は郵便業務に興味があり、郵便配達が好きで好きでたまらないのでしょうか。(郵便局には他にも様々な仕事があるでしょうが、郵便配達は一例です。)皆がその仕事が好きであるかのように装い(仕事をしているうちに、その仕事を好きになる人も多いでしょう。私も教員という仕事を好きになりました。)、仕事に擬態して暮らしているのです。こう考えると、虫も人間も大差はないようです。

秋深まる

 また、赤トンボが里に下りてくる季節になりました。秋の陽を浴びて、コンクリートの壁にじっと止まっています。

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 陽にあたり あつまつて とんぼの幸福   (山頭火

 干柿に 蜻蛉飛行く 西日かな       (正岡子規

 確かに陽を浴びているトンボは、幸福そうにも見え、さびしそうにも見えます。

 

 この前のブログに稲刈りのことを書きましたが、稲が倒れているせいか、まだ刈り取られていない田んぼが残っています。稲が倒れているところでは、色が変わっているところもあります。

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 稲が倒れていない田んぼは、とても濃く色づいています。

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 十日町市の蕎麦の老舗・小嶋屋総本店さんには、多くのお客さんが入っているようです。

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 我が家の畑では、元気だった茄子もならなくなってきました。オクラは2週間ほど前に抜いておしまいにしました。キュウリももう全くなりません。ピーマンはあまり採れなくなってきましたが、まだ頑張っています。他に残っているのは里芋と廿日大根、カブくらいです。

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 廿日大根は、今度は丸くて赤いものではなく、細長くて赤と白の彩りがきれいなものにしてみました。順調に育ってくれて、今日初収穫しました。本当に廿日大根は成長が早く、すぐに食べられるようになるので大好きです。

ナラタケ

 昨日、小雨の降る中なか、山に入り、ナラタケを採ってきました。

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 上の写真は、柄を切って処理したものです。大収穫というほどではありませんが、まぁまぁの収穫でした。このナラタケはとてももろいキノコなので、このまま水洗いしてゴミを取るわけにはいきません。こうして柄を切った状態にして、お湯で少し茹でます。茹でるとしっかりするので、それからゴミを除きます。柄を切って、茹で、ゴミを取り除くのに、たったこれだけの量で2時間半くらいかかりました。とても手間がかかります。
 写真を見て、美味しそうなキノコに見えますか。そうは見えないでしょう。茹でると黒っぽくなり、ますます美味しそうには見えません。しかしこのキノコこそ、一番人気です。東北では、「こっちできのこ狩りというとサモダシ(ナラタケ)狩りのこと。昔は一にも、二にもナラタケ、ほかのきのこはホンシメジでも踏んづけて歩いた」(『きのこの目利き』山と渓谷社)と書いてあります。
 ナラタケを茹でると、中にいる虫が白く透けて見えます。虫がいないものもありますが、よほどタイミング良く収穫したものでないと、虫が全くいないということはありません。(もちろん虫は茹でられて死んでいます。)天然のものですから虫を気にだしたら、食べることはできません。

 下の写真は、ナラタケの柄を切ってでたゴミです。

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 このゴミが、またとても大切なものです。ナラタケの菌はとても強いので、私は必ずこのゴミを、来年もまたナラタケが出ますようにと、山に撒いてきます。来年の収穫につながる、とても貴重なゴミです。

 ナラタケを採った場所から少し離れたところに、ナラタケに似たキノコが出ていました。

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 上の写真の、左がナラタケで、出ていたのが右のキノコです。私はよく見てナラタケだと思い、1本採ってナラタケの入った袋の中に入れました。それからリュックを下ろして採ろうと思って、もう一度よくそのキノコを見ました。すると似ているが、どうもナラタケではないようです。

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 私は採るのをやめにして、袋に入れた一本を捜しましたが見つかりません。しかたがないので家に持ち帰って、柄を切る時に見つけるしかないと思いました。幸いにその一本を見つけることができましたが、非常に似ているキノコがあるので要注意です。(このキノコが毒キノコかは分かりません。)

 私は今シーズン、靴を新しいものにしました。

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  丸五のマジカルスパイク950です。これまでに3,4足履きつぶしてきました。スパイク長靴は、山菜採り、キノコ狩りには欠かせない相棒です。