雪国・十日町から ちからのブログ

豪雪地に暮らす思いとその自然について綴ります

雪国らしい冬の天気

 今日は、雪が降っているかと思うと、陽が射し、これで晴れるのかと思うと、また雲って風が強く吹き、雪が降りだす、そんことを一日中繰り返す、雪国の冬の天気。

 この天気を、嫌な天気と思うか、それともありがたいと思うのか。

 嫌だけれども、ありがたい、これが雪国に暮らす人の思いです。というのも、一日中雪が降り続いて、30センチも40センチも積もる日に比べたら、雪がほとんど積もらないこんな日は御の字なんです、ありがたいのです。こんな荒れた天気の日をありがたいと思うなんて、雪の降らない地方に暮らす人には、きっと思いもよらないことでしょう。昨夜の天気予報は、雪だるまマーク一つで、山沿いでは積雪が増えるでしょうでした。(こう聞くだけで、気持ちが重くなります。)それがはずれて、よかったー、助かったー、ありがたいありがたい、です。

 私は浪人の一年と大学の四年間を東京、横浜で過ごしました。東京や横浜に冬はないと思いました。雪国育ちの私には、雪のない冬は冬ではありません。晴れて陽射しがあれば、それは雪国では春なのです。寒くたって、そんなのなんでもありません。雪国では四月になっても、雪が1メートル以上残っていることもあります。夕方になると、ぐーんと冷え込みます。雪が消えるまでは、保冷材(雪)に囲まれて暮らしているのです。

   今日も雪 また明日も雪 雪国の

          その雪なかに 吾が生はあり

こんな雪国に、どうして私は生まれ、暮らしているのでしょう。

 雪国を憂しとやさしと思へども飛び立ちかねつ鳥にしあらねば

(世の中を憂しとやさしと思へども飛び立ちかねつ鳥にしあらねば:万葉集・5・893)

 ということでしょうか。