菜の花はアブラナ科アブラナ属の花の総称ですが、この花が、その菜の花の中の、何の花かわかりますか。
実はこの花は、白菜の花です。昨年の秋に植えたのですが、成長しなかったので、収穫せずにそのままにしていたら、こんな花を咲かせました。(写真を撮影した後に食べました。とても美味でした。)
白菜は結球するので、アブラナ科アブラナ属とは別の植物とばかり思っていました。日本で結球種の白菜が食べられるようになったのは20世紀になってからだそうです。そんなに昔のことではないのですね。
高野辰之が作詞した「朧月夜」の歌詞は、
菜の花畠に入り日薄れ 見わたす山の端霞深し
春風そよふく空を見れば 夕月かかりてにほひ淡し
ですが、高野辰之が見た「菜の花」はアブラナの花だったようです。辰之が子供の頃は菜種油を採るためにアブラナがたくさん植えられていたそうです。それが菜種油の需要が減ってアブラナの栽培が激減し、今の「菜の花」は観光用に植えられた野沢菜の花だということです。調べてみると色々面白いことが分かります。
「野沢菜」と聞くと、私は島木赤彦の次の歌を思い浮かべます。
信濃路に帰り来たりてうれしけれ黄に透りたる漬菜の色は
【透り:とおり、漬菜:つけな】
私も以前は冬に漬菜をよく食べました。よく漬かった漬菜の色を「黄に透りたる」というのは、実に的確でうまい表現だな、と感心します。
我が家では雪柳が満開です。
夜になると蛙の声がにぎやかになってきました。
今日で平成は、終わりです。
令和は、どんな時代になるのでしょうか。