日の出前や夕方に、カナカナカナと蜩の声が聞こえるようになりました。私はこの声を聞くと夏本番の到来を感じますが、それと同時に、夕暮れの蜩の声はどこか哀調をおび、夏の終わりの予兆をも感じさせます。
また蜩の哀調をおびた声は、郷愁を呼び起こします。
また蛼のなく頃となつた 【蛼:ひぐらし】
かな かな
かな かな
どこかに
いい國があるんだ
山村暮鳥の詩集『雲』より
蜩は理想郷(いい国)でも鳴いていそうです。
我が家の小さな畑も、いよいよ夏野菜の収穫が最盛期になってきました。
茄子がこんなに取れました。オクラも漸く取れ始めました。
それにしても茄子は美しい野菜です。
茄子は漬けて良し、油でいためて良し。
茄子の漬物は夏の味です。「色で迷わす浅漬茄子」という言葉があるように、茄子の浅漬けの色にも、えも言われぬ美しさがあります。