雪国・十日町から ちからのブログ

豪雪地に暮らす思いとその自然について綴ります

最高のマイタケが採れました

 三度目のキノコ狩りに山に入りました。

 山に入って、まず何度も大きなマイタケを採ったことのあるミズナラの木を見に行きました。このミズナラでは、1年空くこともありますが、毎年のようにマイタケを採っています。昨年は出なかったので、今年は間違いなくマイタケが出るはずだと思い、今日こそと思って行ったのですが、全く影も形もありません。
 次に4日前のブログに写真を載せた、マイタケの芽が出ていたところに行きました。マイタケには人に見つからないように少し木の葉を載せておきました。4日経っているので採りごろになっているに違いない、と思っていたのに、載せておいた木の葉が成長したマイタケに押されて盛り上がっている様子がありません。どうしたのだろうと思って木の葉を取り除いてみると、なんとマイタケの芽が腐ったようになっていました。こんなことは初めてです。あまりに暑かったのでこんなになってしまったのでしょうか。がっかりです。それでもその傍に新しいマイタケの芽を見つけたので、次に来た時には採れるだろうと気を取り直しました。
 次にほぼ毎年マイタケが採れるミズナラに行きました。マイタケの匂いがするのでよく見ると、小さな芽が出ていました。これも今回はまだ採れません。
 今日もこれでは空振りかと思って、最後にマイタケの出るミズナラが3本かたまっているところに向かいました。
 途中マムシが私の前を横切りました。山ではこういうことがあるので、やはり山に入ることには危険が付きまといます。いつも注意深く周囲を観察しながら歩かなければなりません。

f:id:chikaratookamati:20191003065646j:plain 私は、茸狩りの時にも春の山菜採りの時にも、必ず「アブラノケンシンアブラノケンシン」「アブラウンケンソワカアブラウンケンソワカ」「ヨロシクオネガイシマス」と唱え、一礼してから山に入ります。採り終わって山から出る時には「アブラノケンシンアブラノケンシン、アブラウンケンソワカアブラウンケンソワカ、アリガトウゴザイマシタ」と山に向かって一礼します。この「アブラノケンシン」は長野県、「アブラウンケンソワカ」は宮城県に伝わる唱え言で、この言葉を唱えて山に入ると蜂に刺されないと言われています。私はこの唱え言を『蜂アカデミーへの報告』(後藤明生)で知り、蜂に刺されなくなるなら他の山の危険からも守ってくれるに違いないと勝手に解釈し、もう30年以上も山に入る時には唱えています。この唱え言を唱えなくてもいいとは思いますが、山を畏れ敬い、山への感謝を忘れてはならないと思っています。
 3本の内1本のミズナラからは、前々回のキノコ狩りの時に1株マイタケを採っています。まずナラタケ(十日町ではアマンダレと言う)が、ほんの10本くらいしか出ていませんでしたが目に入りました。そのナラタケを採りながらミズナラの方を見ると、なんと最高のマイタケが2株プラスα出ていました。今回は山に行くときにカメラを持っていくのを忘れてしまい、マイタケの出ている様子を写真に撮れず失敗しました。

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 これだけ美しいマイタケを採ったのは初めてです。この天然のマイタケは栽培ものと比較するとずっしりと重く、両手で採り上げる時はその重さにとても感動します。このマイタケが出ていたところは、4日前にも見ているのです。その時には全くマイタケは影も形もありませんでした。4日の間にこんなに成長したのです。こうなので茸は本当に採取する時期が読めません。こまめに見に行くしかありません。

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 ナラタケはたったこれだけです。

注)『蜂アカデミーへの報告』は新潮社から昭和61(1986)年に出版された本で、その帯には「ある夏「わたし」は、浅間山麓の山小屋でスズメ蜂に刺され、九死に一生を得た。それを契機に「わたし」は、蜂についての考察を始める・・・。蜂の被害を報じた新聞記事等の蒐集、蜂について記述した古今東西の文献類の渉猟、果ては蜂被害者の取材に大分県まで出掛けて・・・。本書は、「蜂アカデミー」への報告に仮託して、それらの作業の結果を纏めた”蜂の博物誌”であります」と書かれている。とても面白い本である。

 

 我が家の畑でラディッシュが取れました。

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 ラディッシュは二十日大根と言うだけあって、本当に種をまいて20日くらいで収穫できます。あまりに早く収穫できるので驚きました。栽培が簡単で、味もいいし形も色も美しい。惚れてしまいました。