雪国・十日町から ちからのブログ

豪雪地に暮らす思いとその自然について綴ります

寒参り

 寒参りを完遂することができました。
 小寒(1月6日~19日)、大寒(1月20日~2月3日)の寒中29日間、毎晩、越後三十三観音霊場・第十番札所・長徳寺の千手観音様にお参りしました。

 上の写真は昨晩の様子です。これでも例年と比較するととても小雪で、現在の積雪は50㎝くらいしかありません。それでも30~40㎝ほど降り積もった雪をこざいき(踏み分け)、屋根から落ちた1m以上もある雪の山を踏み越えて、お参りしたことが2晩(1月8日、25日)ありました。無事に完遂できたことにホッとしています。

 今年は私にとって残りの人生を左右するとても重要な一年になりそうです。
 清沢満之のように、

 天命に安んじて人事を尽くす

 といった心境にはとてもなれませんが、人事は尽くしたいと思います。 

雪降る中で

 今日は晴れの予報が出ているが、昨日一昨日は雪だった。この一週間は読書に明け暮れていた。読んでいたのは、徳仁親王今上天皇)の『テムズとともに』(紀伊国屋書店)と王躍文の『紫禁城の月』(メディア総合研究所)である。

 『テムズとともに』は二十代の徳仁親王が、1983年6月末から85年10月初旬までのオックスフォード大学留学期間に、見たり、聞いたり、体験したことを記したものである。1993年に出版されたが、今回学習院創立百五十周年の記念事業の一環として復刊された。ある記事に素晴らしい本であると紹介されていたので読んでみた。文章は実に明快で読みやすく、楽しく読むことができた。本当にいい本だった。
 徳仁親王は好奇心が旺盛で、様々な体験をされている。その体験の多くは一般庶民ができるものではないとしても、若い親王の貴重な体験が、読む私に生き生きと伝わってきた。徳仁親王は「オックスフォード大学のように長い歴史に裏づけられ、様々な顔を持つ大学の全貌を、二年間という限られた滞在だけで知り尽くすのは不可能である」と書かれているが、オックスフォード大学、イギリスの一端を窺い知ることができた。

 小説『紫禁城の月』は上下巻あり、合わせると850ページにもなる。しかも各ページは上下二段に分かれ、小さな字で印刷されている。面白いのでどんどん読んだが、夢中になって読み過ぎて少し疲れてしまった。

 主人公・陳廷敬は1639年(明の崇禎12年)に生まれ、1712年(清の康熙51年)に没した人である。21歳で進士に及第し、以後、半世紀を超える長きにわたって朝廷に仕え、文淵閣大学士(宰相に相当する)まで上り詰めた。私は陳廷敬の名前も知らなかったが、陳廷敬が康煕字典の編纂にも関わってた人物で、『紫禁城の月』が面白い小説であると知って読んでみた。(康煕字典の完成は1716年なので、陳廷敬は完成を見なかったことになる。)
 中国で人気のジャンルに「官場小説」(官吏・役人の世界を描いた小説)があるという。一庶民であっても、否応なしに政治に巻き込まれ、身の処し方を考えねばならぬ立場に置かれることが多々ある中国では、政治から身を遠くにおけぬ環境があり、『紫禁城の月』(中国では『大清相国』という題名)がベストセラーとなった背景には、「処世の教科書」として読まれている部分があるという。私は官僚の世界がこの小説に描かれたようなものであるなら、絶対に官僚にはなりたくない。しかし一度しかない人生で、進士となって皆から尊敬され、権力を握ってみたいと考える者がいるのも当然のことだろう。『紫禁城の月』は70の章に分かれているが、私には陳廷敬が進士に及第する9章までが特に面白かった。
 中国では、古来官僚は薄給で、清廉過ぎて葬式を出す金もなく、それを慕った民衆が進んで葬式を出してやる、というのが官僚の理想とされているという。中国の官僚というと、私は汚職がつきものというイメージを持っている。時間とお金をかけて死に物狂いで勉強して進士に及第し、官僚になっても民に尽くすだけで清貧に暮らす人などいるのだろうか。

 この冬は今のところ雪が少なく、50㎝ほどしか積もっていない。ほんとうにありがたい。それでも前述のように昨日一昨日は一日中薄暗く雪が降っていた。

 新年(あらどし)も月の半ばを過ぎゆけるこの寂しさよ夜半に雪降る

 この短歌は新潟県出身の宮柊二のものである。昨日の新潟日報に掲載されていた。この短歌のように降りしきる雪を見ていると寂しい思いになってくる。

 しんしんと雪降る中に帰し方も行く末もまた茫々と見ゆ    (ちから)

 毎日4時過ぎには起き出して、机に向かっている。もうこんなことを50年も続けている。昨日の朝は虚しい思いがこみあげてきた。やはり雪は辛い。

秋野菜の収穫ほぼ終わる

 昨日、蕪と大根(2本)を収穫しました。蕪の収穫はこれで終了です。自分でいっぱい食べたし、4~5軒にお裾分けもしました。出来としては80点で、合格点というところです。もっと間隔を狭くして植えたなら、1.5倍くらい収穫できたかもしれません。来年は100点の出来にしたいものです。
 大根は今年初めて植えてみました。出来はまあまあでした。来年は蕪と同様にもっと間隔を狭くして植えれば、これも今年の1.5倍くらい収穫できるかもしれません。
 大根はあと15本くらい畑に残っています。葉を菜飯にするために収穫せずにそのままにしています。雪が積もる前には収穫を終えようと思っています。
 白菜は今月の4日に全て収穫しました。例年通りのできでした。

 写真は4日に撮影したものです。
 いよいよ秋野菜の収穫も最終盤になりました。

 小春日を楽しむ畑のある暮らし      (佐渡市 渡辺ヨシ子)

 大根の収穫が終わると、秋野菜の収穫は終了ですが、畑には三月菜と五月菜が育っています。これはそのまま雪の下にして、春にとう菜として食べるものです。春のとう菜は甘く、美味です。その日を楽しみにしています。
 夜7時には、東の空の低い位置にオリオン座が見えるようになりました。いよいよ冬も間近です。雪が少ない冬であることを願っています。

蕪ができました

 蕪ができました。

 写真の蕪はどの蕪も種を蒔いてから60日ほど経って収穫したものです。どの蕪も中央の蕪くらいの大きさに育ってから収穫したいと思っているのですが、なかなか大きく育ってくれません。種の袋には収穫期は40日~60日と書いてあるので、これ以上は大きくなるのを待っているわけにいかないのかな、とも思っています。
 今年は虫に食われる葉がとても多く、昨年と比較すると順調に育ったとは言えない状況です。(葉が元気でなければもちろん蕪は大きく育ちません。)その上、未だにカタツムリもいっぱいいます。それでも蕪の味はもちろん変わりません。味噌の一夜漬けの蕪は歯ごたえが良く最高です。いっぱい作付けしてあるので、これから大いに楽しめそうです。