雪国・十日町から ちからのブログ

豪雪地に暮らす思いとその自然について綴ります

キノコ狩り、擬態

 昨日、山に入ってキノコを採ってきました。山に入ると、強い枯れ葉の匂いが、晩秋を感じさせます。

 今日もまたゴロ寝に夢をまさぐれば秋は音なく遠ざかりゆく 
                     (糸魚川市 島道幸治郎)

 クリタケが何箇所か群生していました。

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 クリタケは若いときは、上の写真のようにとってもきれいなキノコですが、下の写真のような形で見るのが普通でしょう。

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 ヒラタケも出ていました。

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 ヒラタケは鍋にでも入れて、食べようと思います。

 ナメコは出始めたばかりで、1週間後にまた採りに行こうと思っています。

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 その他、ヤマブシタケとハナビラニカワタケをほんの少し採りました。

 話は換わりますが、我が家の大文字草は、もう3週間近く咲いています。

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 昨日、この大文字草に擬態している蜘蛛を見つけました。

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 写真の中央に見えるのがそれです。今まで全く気づきませんでした。写真を撮った後、すぐにどこに行ったか分からなくなりました。何時からいたのかは、もちろん分かりません。こんなに大文字草にそっくりな色をした蜘蛛がいるなんて、本当に虫は不思議だ、と思ったのですが、考えてみると人間だって擬態して暮らしているようです。
 私は教員でしたが、最初は教えることなど全く興味がなく、ただ教員には夏休みという他の職業にはない長期の休みがあり、国語の教員になれば必然的に本を読まなければならないだろうし、読めるだろうと考えて教員になりました。もっと本が読みたかったので、教員になったのです。教えることを楽しいと思ったことは一度だってありません。しかし、目の前に生徒がいて、興味がなさそうに授業を受けているのを見るのはとても苦痛ですから、そういう生徒の姿を見るのが嫌なら、一生懸命教えるしかありません。だから生徒の興味をひくような話をしようと、本をたくさん読んで勉強して(それが私のしたかったことですから)、教えました。必死でした。しかし、私は学校のこと(学校の運営、生徒指導、部活、行事など)には、最後の最後まで全く興味が持てませんでした。こう考えると、私は一般の教員とは違っていましたが、教員に擬態してなんとか過ごしてきたと言えるような気がします。
 いやいや私だけではなく、ほとんどの人が擬態して暮らしているのではないでしょうか。自分がしている仕事が好きで好きでたまらない、というような人がどれほどいるでしょう。銀行員の皆さんは、お金に関することに興味があり、銀行員という仕事が好きで好きでたまらないのでしょうか。郵便局に勤める方は郵便業務に興味があり、郵便配達が好きで好きでたまらないのでしょうか。(郵便局には他にも様々な仕事があるでしょうが、郵便配達は一例です。)皆がその仕事が好きであるかのように装い(仕事をしているうちに、その仕事を好きになる人も多いでしょう。私も教員という仕事を好きになりました。)、仕事に擬態して暮らしているのです。こう考えると、虫も人間も大差はないようです。