雪国・十日町から ちからのブログ

豪雪地に暮らす思いとその自然について綴ります

師走のキノコ

 12月8日放送の「林先生の初耳学」で、マツタケ超える絶品キノコをキノコフリーク芸人・坂井きのこさんが紹介していました。1位がコウタケ、2位がクリタケ、3位がチャナメツムタケでした。コウタケは納得できます。コウタケの香りは絶品です。以前、今はなき父が採ってきたことがあります。その素晴らしい香りは忘れることができません。私もそのコウタケの出る場所は聞いているのですが、中越地震以降その場所に行ってはいません。天然のマイタケもいい香りがします。干すと一層その香りが増します。しかしコウタケの香りはその十倍もいい香りです。
 クリタケ、チャナメツムタケには疑問符がつきます。クリタケはこのブログで紹介しました。姿の良いキノコですが、それほど美味しいと思ったことはありません。ただ番組ではクリタケの天ぷらを食べていました。天ぷらにしたことはないので一度試してみようかと思います。チャナメツムタケは地ナメコと呼ばれる通り、ナメコにとても味が似ています。ただしナメコのように幼菌でもつるんと丸まった形にはなりません。白い色のシロナメツムタケというキノコもあります。これも味はナメコとほぼ同じです。チャナメツムタケもシロナメツムタケも味の良いキノコですが、マツタケ超えの絶品キノコと言えるかは疑問です。まあテレビで言っていることを、鵜呑みにはできないということでしょう。私が何といっても最高のキノコと思うのは、シロホウキタケです。このシロホウキタケの吸い物は絶品です。マツタケなど問題になりません。しかしこのキノコも中越地震以来採りに行っていません。出ている場所が山の奥で、一人で行くのが怖くなりました。

 さてここから、本題の「師走のキノコ」について書こうと思います。12月5日の朝は15~20㎝の積雪がありました。もうこれで山には行けないかと思っていたのですが、その後雨が降ったり晴れたりで雪が消えてきました。そこで1回1~2時間程度ですが、10日、13日、14日と3回キノコを採りに出かけました。散歩代わりです。

 10日は里山に入りました。山はこんな様子です。

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  雪の中に、ヒラタケが出ていました。

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 ハナビラニカワタケも出ていました。

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 収穫はこれだけです。

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 ハナビラニカワタケは吸い物にして、ヒラタケは鍋やすき焼きに入れて食べました。

 13日には信濃川の川原にキノコ採りに行きました。山ではありません、川原のニセアカシアの木にエノキタケやヒラタケが出るので、それを採りに出かけました。

 川原はこんな様子です。

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 台風19号のせいでしょうか、倒れている木が何本もありました。

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 エノキタケがほんの少し出ていました。

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 天然のエノキタケは栽培ものとはまるで違います。ナメコに似ていますが、ぬめりはありません。私はまだエノキタケを大量に採ったことがありません。採ってもやっと1食分くらいです。一度でいいので大量に採ってみたいものです。

 実は、私が川原でキノコを採るようになったのは、『夢自然 きのこ』(山と渓谷社 1992年)に載っていた、新潟県村上市あたりの人らしい)の近重雄さんの投書を見たからです。
 11月ともなれば、ほとんどの人はきのこ採りシーズンが終わったと思っている。しかし私はこれから早春にかけてが最も収穫量が多い。(中略)私は初冬から早春にかけて河川敷できのこ採りを楽しんでいるわけだが、誰もこの場所がきのこ採りの好適地と思っている人はいないのである。ところがどっこい、ここが穴場なのだ。整備された河川敷は別として、ここにはたいていヤナギやクルミの樹が多い。この立枯れや倒木には天然のエノキタケやヒラタケがよく発生する。
 さっそく川原に出かけてみると、投書の通りでした。ヤナギやクルミの木ではありませんが、ニセアカシアの立枯れや倒木にエノキタケ、ヒラタケが出ていました。キノコ好きの人に嘘をつく人はいません!それを実感しました。安倍総理とその一味とは違います。彼らには毒キノコでも食べさせてやりたいものです。そうすれば嘘が言えなくなるかもしれません。
  川原には、なぜか棘のある木がとても多く生えています。

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 注意しても刺さって痛くて大変です。しかし、こんな棘のある木に出会えることがあります。

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 タラの木の群生です。春にはタラの芽の天ぷらが食べられそうです。

 ツルウメモドキが赤い実をつけていました。

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 川原の植生は山とは違っていて、これはまた面白い場所です。鳥もたくさんいて、今年の春には、雉のつがいに出会いました。時にはハイイロシメジの大群生にも出会います。ハイイロシメジは食べないようにと言われているキノコですが、食べる人もいます。食べるには熱を加えることが大切で、一度煮たものを鍋に入れて食べると、シメジなのでとてもおいしいと話していました。ハイイロシメジは大型のキノコで、姿もよいので、焼いて食べる人がいます。そうすると大概、腹をこわすことになるようです。私は食べたことはありません。

 14日には10日とは別の里山に入りました。ナメコが出ていました。

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 このナメコは、雪の下になったり、雪が解けると夜には凍り、昼になり気温が上がるとそれが解けたりするのを繰り返して、少し質が落ちています。このナメコは半分は凍っていました。

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 このナメコも少し質が落ち気味です。

 ムキタケも出ていました。

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 この時季は、ご覧の通り苔がとてもきれいです。

 前のブログにも書きましたが、木々の葉が落ちて見通しのきくようになった林の中は、実に清々しいものです。

f:id:chikaratookamati:20191215091329j:plain 柏崎の村山文子さんの歌を借りて詠みました。 

 落ち葉踏むわが足音とわが息と雪待つ山は静けさのなか  (ちから)

 雪次第ですが、できたらもう何度か里山を歩いてみたいと思います。